a16z: Stripeのブリッジ買収がフィンテックとステーブルコインにもたらすもの

著者：James da Costa &; Sam Broner, a16z crypto; 翻訳：Golden Finance xiaozou

2月、StripeはステーブルコインプラットフォームBridgeの買収を完了した。大規模な買収だった。これは、昨年Stripeが米国企業向けに暗号通貨決済サービスを再開したことに続くものだ。この買収は、数年にわたる持続的な成長を経て、決済業界にとって、安定コインが主流になりつつあることを初めて公に認めたことになる。2024年の決済額は15兆6000億ドルで、安定コインの取引規模はすでにVISAと肩を並べている。

ステーブルコインとは何か？ステーブルコインは、不換紙幣（通常は米ドル）の価値に固定された暗号資産です。最も一般的な「不換紙幣準備のステーブルコイン」（サークルが発行するUSDCなど）は、米国の短期債務と銀行預金の完全な1:1の比率によって支えられています。

ステーブルコインは、現地通貨の変動が激しい国（ナイジェリア、アルゼンチンなど）、国境を越えた送金コストが高い地域（コロンビアなど）、国際クレジットカードの普及率が低い市場（パキスタンなど）において、過去1年間で大きな支持を得ています。Stablecoinを利用することで、ユーザーは次のことが可能になります：資産価値を米ドルで保管する、高速で安価なグローバル送金を可能にする、（現地のカード決済が適用されない場合）stablecoinをサポートする海外のウェブサイトでお金を使う。

路面店から多国籍企業まで、誰もがstablecoinの恩恵を受けることができる。Stripeのパトリック・コリソン最高経営責任者（CEO）は「金融サービスの常温超伝導体」とツイートし、「グローバル企業は今後数年間、stablecoinのスピード、リーチ、コスト面での優位性を享受できるだろう」と予測している。開発者優先の決済企業（Stripeとコンセプトが似ている）であるBridgeは、stablecoin市場をリードしている。Bridgeは開発者ファーストの決済会社（Stripeとコンセプトが似ている）で、単一のAPIを通じてあらゆる米ドル形式の安定したコインの変換を可能にし、3つの主要なサービスを提供しています：

資金派遣：開発者はわずか数行のコードで安定したコインを送金、保管、受け取ることができ、Bridgeはコンプライアンス要件や技術的な複雑さをすべて引き受けます。

配信サービス：開発者は数分で独自の安定コインを作成でき、ブリッジは準備金を米国債に投資し、開発者と収益を共有します。

Global Money Transfers: 開発者に国境を越えた送金とエンドユーザー用の米ドル/ユーロ口座を提供します。

現在のユースケースには、StarlinkがBridge経由でアルゼンチンから資金を送金すること、ナイジェリアのユーザーがstablecoinでYouTube PremiumやChatGPTの支払いをすること、米国の小さな商店が世界中の顧客から支払いを受けることなどがあります。

今回の買収は、「インターネット経済の拡大」というストライプのミッションに合致している。具体的には、安定コインはストライプに2つの利点を提供します。1つ目は、決済インフラが脆弱な地域（つまりストライプのリーチが限られている市場）において、国境を越えたコストを削減し、取引の失敗を減らし、コンバージョン率を向上させること、2つ目は、加盟店にクレジットカードよりも費用対効果の高い決済オプションを提供することです。ストライプが処理する金額は2024年までに38%増の1兆4000億ドルに達するため、ブリッジの追加はインターネット全体でストライプのリーチを拡大するのに役立つと期待されています。ブリッジが加わることで、ステーブルコインを通じた新たな世界展開が促進されると期待されている。

よりマクロなフィンテックの観点から、私たちはステーブルコインの普及には3つの大きなハードルがあると見ています：世界的な規制の枠組みが不明確であること（急速に改善されていますが）、ユーザーエクスペリエンスがまだ扱いにくいこと（伝統的な銀行チャネルでのカバーが不十分であること）、そしていくつかの信用問題が採用を遅らせていることです。しかし、a16zのパートナーであるクリス・ディクソン氏は、安定コインは現在の閉鎖的で分断されたグローバルな金融システムを「リセット」する可能性があると指摘し、これを「マネーにとってのWhatsAppモーメント」と呼んでいる。

国境を越えた支払いやその他のシナリオに加え、ステーブルコインはAIインテリジェンスが従来の金融インフラの限界を突破する新たな可能性も提供する。例えば、AIエージェントがユーザーに代わって支払いを行う必要がある場合、誰のカードや財布を使うべきか？誰が取引を承認するのか？リスクはどのように帰属し、AI同士はどのように直接決済するのか？ブロックチェーン固有のプログラマビリティにより、stablecoinは、予算管理ルール、条件付きトリガー支払い、マイクロペイメントなどの機能で、これらの疑問に対処することができる。ストライプの既存のAIエージェントツールキットは、eコマース取引を完了するための1回限りのバーチャルカードの作成をすでにサポートしているが（Perplexityが自己管理型ショッピング体験のために使用している）、stablecoinは、より適切な代替または拡張となるだろう。